シェトミタカ通信

シェトミタカ通信

◆シェトミタカの日々の出来事◆バースデーケーキは数日前までの完全予約制です◆
大分県別府市竹の内2組
open 10:00〜18:00 日曜17時閉店◆月火曜定休日(不定休日有り)


☎︎0977-25-9910


patisserie opened in beppu in 1997

 
今週は週の初めよりご予約が殺到!さぁ土日をなんとか乗り切りましょう!


子は放課後は部活動のトライアルへ

ヨット部に2日間体験入部し、
昨日は硬式テニスに誘われテニス部へ
本日は自転車部で自転車を漕いで来たらしい…。
一体何部に入るんでしょうか。。





私の修業時代 第25話 

ケーキショップ朝イチの仕事



あらすじ

1987年昭和62年に高校を卒業した私は、横浜の調理師学校へ入学し、スペイン料理店でアルバイトをしながら少しずつ新生活になれて来た頃には就職活動。不採用になったりいろいろ経験し無事に就職先も決定したのでした。
そして入社式の日を迎え、
新入社員の面々と共に成長していくのでした。



『おはようございまーす』

サテライトホテル横浜に出勤2日目。

ベーカー部門の朝は8時出勤。3階のロッカールームで着替え、1階の厨房へ降りると新入社員の草刈さんと伊南さんはもう出勤してました。

二人とも冬休みから研修アルバイトに入ってるそうで、勝手が分かっているようです。


伊南さんはショートケーキやミルフィーユに使う苺のヘタとりをしていました。草刈さんはケーキの名前をメモに取りながら、在庫をチェックしています。。

8時頃には浜田さんが出勤。挨拶を交わしたら早速指示を出してくれました。

『冨高君、コレやって、見てろよ。』

チョコレートの板をセルクルの様なもので表面を薄く削り、チョココポーを作る作業です。

『ハイ!やります、代わります。』

見様見真似でチョコレートを削るのですが、浜田さんの様に均一の薄さにならず、、


『削る時に力入れ過ぎ、優しく引け!』


『出来たらコレに飾れ、こんな風に…。』と浜田さん。


『ハイ、飾りました!』浜田さんにチェックしてもらい、

『まぁ、いいか。最初はこんなモンか。ショップに持って行け。』浜田さんのオッケーをもらい、出来たケーキをショップに運びます。


ショップには同じく新入社員で販売員の氷川さんが働いてます。『冨高さんおはようございます〜』と挨拶。販売員らしく優しい声をかけてもらい、ちょっと気持ちも和みます。

『おはよー、浜さん怖ぇから直ぐ戻る。』ケーキを渡し厨房へ戻ると、『これをこんな風に付けろ』や、『よし、出せー。』と浜田さんの指示に従いケーキショップのケーキを仕上げてると、8時半過ぎ位に永江チーフが出勤。
チーフは出勤すると皆んなと挨拶を交わし、ベーカーの厨房横にある事務用デスクに座り、1日のスケジュールを組み立てます。浜田さんが伊南さんに目配せし、伊南さんがチーフにお茶を淹れるのが日課のようです。

10時頃にはケーキショップのケーキもほぼ並び、事務用デスクの前でちょっとお茶を飲んだりしながら、その日の予定を皆んなで打ち合わせます。


どうやら私は浜田さんとチームを組み焼き物、仕込み担当。

草刈さん、伊南さん、チーフの三人が仕込み、仕上げのチームの様です。


昭和の終わりの頃で、私が一番年下、草刈さん、浜田さん、伊南さんは22歳、永江チーフが40代前後のチームベーカーサテライトでした。


サテライトホテル横浜のベーカーの仕事場は

シェフルームや事務所の隣。エアコンも無いホテル厨房内の片隅でした。


私の修業時代 第24話 石川町の長い夜


あらすじ

1987年昭和62年に高校を卒業した私は、横浜の調理師学校へ入学し、スペイン料理店でアルバイトをしながら少しずつ新生活になれて来た頃には就職活動。不採用になったりいろいろ経験し無事に就職先も決定したのでした。
そして入社式の日を迎え、
新入社員の面々と共に成長していくのでした。



※私の修業時代は9年前に別ブログで投稿した記事を若干手直し加筆しこちらに記録掲載させていただきます。登場人物の氏名は全て仮名です。





石川町駅から徒歩数分の宮脇君のアパートへ、入社式の初出勤の日の夜に自転車で行きました。


私が春から引っ越したアパートも最寄駅は石川町。根岸線の石川町駅からも根岸駅からも徒歩20分弱でしたから、生活に自転車は必需品でした。ホテルへの通勤にも元町商店街で購入した自転車で通う予定でした。


宮脇君のアパートで夕方を食べながら、ベーカーの事やお互いの今日の出来事を話していると、、

『宮脇ーーーー!』と田盛が訪ねて来ました。


『せっかくだから俺も宮脇ん家に泊まるわ〜!』と、相変わらず強引な奴です。


『本当お前達仲良いなぁ。冨高が朝寝坊して来ない時も、人事の伊武さんに、『冨高は一人暮らしでずっとバイトをしてて疲れが溜まってたんです!ちゃんと来ますので電話して下さい!』って、言ってたよね。』宮脇君がツッコミを入れますが、


『楽しい方がいいでしょ?あと藤本にも声かけたし、日野山さんにも言ったから来ると思うよ!今日は新入社員でミーティングしょうぜ〜』と田盛は勝手にセッティングしてるし。


藤本も新入社員で地元横浜高卒で調理部、日野山さんは調理部の昨年の新入社員で横浜調理師専門学校のOBです。

その夜石川町の宮脇君のアパートには、私と田盛、藤本、日野山さんで夜遅くまで語り合い、、

『レストランの◯◯さんはああ見えていい人だよ』

『先ずは朝食でオムレツを作れるようにならないと相手にされないぞ〜』

『フロントの◯◯さん可愛いですねぇ!』

『冨高、おめぇー、リーダーとかやりやがって…俺らは冬休みからバイトして気に入られようとガンバってんのに!オイシイとこ持っていきやがって…』と、皆んな好き勝手に喋り、畳の上でもう寝てる奴もいたり、、。

翌朝、宮脇君のアパートで朝を迎えたのでした。。


日野山さんや田盛はレストランの遅番で仮眠の為帰宅。早番は出勤し、私もサテライトホテルへ自転車で出勤。当然もう遅刻はしていませんよ。。


通りの奥に宮脇君のアパートが有りました。30数年前の話です。



私の修業時代 第23話 新入社員歓迎ランチ会


あらすじ

1987年昭和62年に高校を卒業した私は、横浜の調理師学校へ入学し、スペイン料理店でアルバイトをしながら少しずつ新生活になれて来た頃には就職活動。不採用になったりいろいろ経験し無事に就職先も決定したのでした。
そして入社式の日を迎え、新社会人への第一歩を踏み出しました。

〜ーーーーーーーーーーーーーーーーーー〜


入社式の日の昼食は総支配人と新入社員の親睦を深める新入社員歓迎ランチ会でした。


総支配人はパワーみなぎるボスって感じの方でした。いらっしゃったら空気がピンと張り詰めるような。
新入社員が一人つづ自己紹介をしながら歓迎会ランチは穏やかなムードで進行していました。総支配人はウンウンと静かに聞いておられました。


自己紹介が私の番になると、総支配人は、

『君が冨高君か!会いたかったぞ〜!


どうだうちのホテルは、、?


君はどこのセクションだ?…………ベーカーか!


永江君はどうた?…………そうか!


出身はどこだ …………… 大分か!


入社式に人事から起されるくらいだからな、大物になるぞ!!


新入社員の責任者な、アレは冨高君やれよ〜笑』


新入社員と親睦を深めるランチ会は、殆どが総支配人からの集中口撃の状況に(汗)

おまけに新入社員の責任者?リーダー?に決められてしまい、、
新入社員で何か問題や、やりたい事があれば意見をまとめ、総支配人に直接伺う責任者のようです。私よりも年上の方も多く他に適任者もいると思うんですが。。




歓迎ランチ会が終わり、ベーカーの厨房にやっと戻れ、さぁ本格的に始動です!



『入社式に出なかったのお前かよ?』今度はベーカーの浜田さんが私を睨みながら冷笑しています。キッチンからは他のコックさんも2、3人寄ってきました。。


『ハイ、すいません…。』私が無表情で答えると、


厨房が静まり返りました…


『しょうがねぇ奴だなぁ、まぁ…頑張れよ〜笑』浜田さんが急に笑い出し、コックさん達もみんな笑い出しました。

初日に遅刻した事は当然NGですが、
陰で噂されたりするより、ハッキリ言われた方が気が楽ですし、言いたい事を言ってくれる人なんだなぁ…と、ちょっと安心しました。



ベーカーでの初仕事は、、出勤時間やタイムカードの説明、厨房の掃除などですぐに終わってしまい初日が終了しました。



勤務終了後、
ロッカーで宮脇君や田盛ら新人の調理部が一緒になりました。

『宮ちゃん、アパート石川町でしょ?今晩冨高泊めてやってよ〜!また明日も遅刻したら、今年の新人の評判下げられるぜ〜笑』宮脇君に田盛が冗談を飛ばし、
『いいよ!冨ちゃん蓑沢でしょ?近くじゃん。』と長野県白馬出身の宮脇君は私と一緒で一人暮らし。


『じゃあ、一度帰って準備して来るわ〜』せっかく話が出来上がりつつあるので泊めてもらう事に。。